卒論、グラフの引用のやり方について
卒業論文（卒論）を作成する際、グラフや図表は非常に重要な役割を果たします。実験結果や調査データを視覚的に示すことで、読者にとって分かりやすく、説得力を持たせることができます。しかし、他者が作成したグラフをそのまま使用する場合、引用のルールを守ることが必須です。この記事では、卒論におけるグラフの引用方法について詳しく解説します。
1. グラフを引用する理由と重要性
卒論において、グラフは単に視覚的な補助ツールとして使われるだけでなく、データの信頼性を示す証拠としても重要です。自分の研究結果を示すグラフを作成することはもちろん大切ですが、他の研究者のデータやグラフを引用することで、自分の研究が他の信頼性のある研究とつながっていることを示すことができます。これにより、研究全体の説得力を高めることが可能です。
ただし、他者のグラフを使用する場合には、著作権や引用のルールに従う必要があります。不適切な引用を行うと、学術的不正行為と見なされる可能性があるため、正しい引用方法を理解しておくことが重要です。
2. グラフを引用する際の基本的なルール
（1）引用元を明確に記載する
他者の作成したグラフを使う場合、必ず出典を明記する必要があります。出典には、著者名、出版年、書籍名や論文名、出版社名、ページ番号、DOI（デジタルオブジェクト識別子）などの情報を含めることが求められます。出典を明記することで、そのグラフがどのような背景のもとで作成されたものなのか、信頼できる情報であることを示すことができます。
具体的な書き方の例としては、以下のように記載します。
例：図1（出典：山田太郎, 2020, 『経済データ分析』, ABC出版社, p.45）
また、引用したグラフの下に「出典：」と記載し、参照元を記載することが一般的です。
（2）グラフの加工や修正は最小限に
他者のグラフを引用する際、そのままコピペして使うことは許されますが、不必要にグラフを変更したり加工したりすることは避けるべきです。もし、視覚的に分かりやすくするために一部を変更する必要がある場合（例：色を変更する、フォントを大きくするなど）、その旨を**「改変した」**という記載を追加しましょう。
例：図2（出典：鈴木一郎, 2018, 『国際貿易のデータ』, XYZ出版社, p.78, 改変）
これにより、読者がどこが変更されたのかを理解でき、透明性を保つことができます。
（3）グラフの形式に注意
卒論では、グラフや図表を使う際にその形式やデザインにも気を使う必要があります。一般的には、引用したグラフをそのまま使用するだけでなく、自分の論文の体裁に合わせて調整することが求められます。ただし、あまりに大きくレイアウトを変更することは、オリジナルのデータや意図を歪めてしまう可能性があるため、最小限に留めることが大切です。
（4）複数のグラフを使う場合
複数のグラフを使う場合、それぞれのグラフに対して出典を記載します。同じ文献からの引用であっても、それぞれのグラフには個別に出典を明記しましょう。また、図の番号も一貫性を持たせ、混乱を避けるようにしましょう。例えば、論文内で「図1」「図2」と番号を付け、引用元の出典情報も各図に対して正確に記載する必要があります。
3. どのような場合にグラフを引用すべきか？
卒論においてグラフを引用する場合、以下のようなケースが考えられます。
（1）既存のデータを利用したい場合
他の研究者が発表したデータを使いたい場合、既に作成されているグラフを引用することができます。これにより、既存のデータに基づいて自分の考察を加えることができ、研究に深みが増します。
（2）理論的な裏付けを提供したい場合
他の研究結果を支持するために、既存のグラフを引用することがあります。例えば、自分の実験結果が他の研究と一致する場合、その一致を示すためにグラフを引用することができます。これにより、あなたの研究が他の研究とつながっていることを示し、信頼性を高めることができます。
4. まとめ
卒論でグラフを引用する際は、引用元を正確に記載し、他者のデータやグラフを適切に活用することが求められます。引用する際には、グラフを改変した場合はその旨を記載し、透明性を保つことが大切です。また、他者の成果を尊重し、適切な引用を行うことで、卒論の信頼性や説得力を高めることができます。引用のルールを守り、正確かつ倫理的な学術的活動を心掛けましょう。
