卒論で「前述」ってどのように使ったらいいの?
卒業論文を書く際、「前述のとおり」や「前述の研究によると」など、「前述」という言葉を使う場面は多いです。しかし、「どこまで前の内容を指すのか?」「使いすぎると読みにくくならないか?」と疑問に思うこともあるでしょう。
今回は、「前述」の適切な使い方と、避けるべきポイントについて詳しく解説します!
1. 「前述」の意味と基本的な使い方
✅「前述」とは?
「前述(ぜんじゅつ)」とは、**「前に述べたこと」**を指す表現です。卒論では、同じ内容を繰り返さずに簡潔に言及するために使われます。
例えば、以下のような場面で使えます。
📌 例1(データの参照)
前述の調査結果を踏まえると、~
📌 例2(理論の再確認)
前述の理論に基づけば、~
📌 例3(研究者の引用)
前述の○○(2023)の研究では、~
2. 「前述」を使うときの具体例
① 先に説明したデータや理論を再度参照する場合
卒論では、ある理論やデータを何度も説明するのは冗長になってしまいます。そのため、すでに述べた内容に言及するときに「前述」を使うと便利です。
📌 良い例
前述のデータからも明らかなように、日本の少子高齢化は進行している。
このように使えば、不要な繰り返しを防ぎながら、論理的なつながりを維持できます。
② 研究の比較や発展を述べる場合
卒論では、「既存研究と自分の研究の違い」を示す場面がよくあります。そんなときにも「前述」を使えます。
📌 良い例
前述の研究が都市部に焦点を当てていたのに対し、本研究では地方のデータを用いる。
このように使うことで、研究の違いや独自性を明確にできるので、論理の流れがスムーズになります。
③ 先に述べた定義を繰り返さずに参照する場合
卒論では、特定の概念を説明した後で再度言及することがよくあります。その際、「前述」を使えば、読み手に「すでに説明済みの概念である」と伝えられるので便利です。
📌 良い例
前述の「持続可能な観光」の概念に基づき、本章では具体的な事例を考察する。
3. 「前述」を使うときの注意点
① どこを指しているのか分かりにくくならないようにする
「前述」が指す範囲が広すぎると、読者が混乱する可能性があります。
❌ 悪い例(指している内容が不明確)
前述の研究によると、日本の観光産業は成長している。
この場合、「前述の研究」とはどの研究なのかが分かりにくいです。
✅ 良い例(具体的に示す)
前述の田中(2021)の研究によると、日本の観光産業は成長している。
具体的に「どの研究なのか」を示すことで、読者にとって分かりやすくなります。
② 使いすぎると読みにくくなる
「前述」を連続して使いすぎると、文章が堅苦しくなり、読みづらくなることがあります。
❌ 悪い例(「前述」が多すぎる)
前述のデータによると、日本の観光産業は成長している。前述の研究においても、観光業の拡大が指摘されている。さらに、前述の理論に基づき、今後の展望を考察する。
✅ 良い例(言い換えてバランスを取る)
先に示したデータによると、日本の観光産業は成長している。また、○○(2023)の研究でも、観光業の拡大が指摘されている。この理論に基づき、今後の展望を考察する。
「前述」だけでなく、「先に述べた」「これまでの議論を踏まえると」など、類似表現を使い分けると、文章がスムーズになります。
③ 「前述」を使うよりも適切な表現がある場合は、そちらを使う
「前述」よりも具体的な言葉を使ったほうが分かりやすいこともあります。
❌ 悪い例(「前述」を使わなくてもいいケース)
前述のとおり、環境問題への対策が求められる。
✅ 良い例(より具体的に言い換え)
第2章で述べたように、環境問題への対策が求められる。
「どこで述べたか」がはっきりするので、「前述」よりも適切な表現になることがあります。
4. まとめ:「前述」の適切な使い方
✅ 「前に述べたこと」に簡潔に言及するために使う
✅ データ、理論、研究の参照などに適している
✅ どの部分を指しているのか分かりやすくする(「○○(2023)の研究」など具体的に書く)
✅ 「前述」を使いすぎず、類似表現とバランスを取る
✅ 「前述」よりも適切な表現があれば、それを使う(例:「第2章で述べたように」など)
「前述」を適切に使うことで、論理の流れがスムーズになり、卒論の質が向上します。ぜひ、この記事を参考にしてみてください!